無電極ランプとは
まずは無電極ランプについて基本的な知識からご紹介していきます。
無電極ランプの日本における正式名称は「無電極放電ランプ」。
エバーライトやLVDと呼ばれることがありますが、LVDは「Low Voltage Discharge」の頭文字を取った照明で、上海宏源照明電器有限会社が作る無電極ランプの商標。日本での販売はHALO LVDという名前で行われています。EVERLIGHT(エバーライト)はパナソニックの販売する無電極ランプの商標。エコブライ燈(エコ燈)はアオイエコ販売のブランド、GUGENシリーズはSANRIの販売する無電極ランプのブランド名です。
ですから、様々なブランド名や商品名(商標)があるものの、それらは全て正式には無電極ランプ、または無電極放電ランプということになります。
主に水銀灯やメタルハライドランプ、ナトリウム灯などHID照明の代替えとしての用途になりますが、10万時間という驚愕の長寿命かつ省エネということで、交換が困難な場所に採用されることが多く、近年ではレインボーブリッジや東京スカイツリーなどにも使われています。
これ意外にも高速道路やトンネル、吊り橋、工場、施設、体育館等の照明、また街路灯などのランプ交換・施工にともなう手間・ランニングコストを大幅に低減できるため、省エネ・省資源時代にあった照明として注目されています。
無電極ランプはその名の通り電極が無いのが特徴です。照明の寿命は電極部分の劣化によるものが主ですので、電極が無いということは劣化する部分が無いということなので、長寿命というのも理解できますね。
現在世の中にある人工光源の中で、最も寿命が長い照明と言われています。
詳しくは「無電極ランプの発光原理」をご覧ください。
無電極ランプの特徴の一つとして目に優しい明りというものがあります。
無電極ランプは、発光体(ランプ)の面積が水銀灯などに比べて大きいために瞳孔ルーメンの係数が大きく、同じルクスの水銀灯と比較すると2倍近く明るく感じる。水銀灯やLEDは点光源のため、瞳孔が閉じてしまう。
詳しくは「明りの新基準PLm」をご覧ください。
近年では、倉庫や工場の高天井に設置されている水銀灯の代替えとしてLED照明を導入したものの、作業員から「目が疲れる」「頭が痛くなる」などの報告を受けることがあるという話を日本中で多く聞かれるようになりました。
LED照明の光の特徴である直進性の強さ、グレア(ぎらつき)やフリッカ(ちらつき)が大きな原因の一つかと思われますが、せっかく高いお金をかけてLED照明を導入したのに、すぐに無電極ランプに入れ替えた・・・なんていう本末転倒(照明なので本末点灯!?笑)な事例もあるようです。
無電極ランプは長寿命、目に優しい明り意外にも様々なメリットがある照明です。
詳しくは「無電極ランプの特徴」をご覧ください。
無電極ランプの生産量、輸出量は中国が世界一で、世界の90%の無電極ランプを中国企業が生産しています。
続いて韓国が生産しています。生産総量の割合では圧倒的に中国が多いのですが、製品の信頼性という部分で韓国製の製品が諸外国で多く採用されている流れもあります。
日本においてもいくつかのメーカーがオリジナル製品を販売していますが、資材だけ全て中国または韓国から取り寄せて、国内で組み立てる簡単な方式や、海外メーカーにOEM生産で委託しているのが現状です。
一般的に多く普及している水銀灯400W型を省エネ化したいとLED照明の導入を検討したが、大きな初期投資額が必要で、減価償却期間も長いということから、導入を諦めることが多い現状です。
導入を諦める要素としては、次の事情が多く聞かれます。
■製品単価が高く、イニシャルコスト(初期投資額)が非常に大きい。
■既存の灯具(傘)が利用できない。
・口金(ソケット)や傘の形状が合わない。
・傘の中にランプが納まらない。(面で発光するのでサイズが大きい)
■重すぎる。
■光の方向性やニュアンスが大きく違う。
さて、ここまでの文面を読んで気付いた方もいるかもしれませんが”光”と”明り”という2種類の表現が出てきます。
無電極ランプの取扱業者や照明のコンサルティング業者の中では、光線の種類によって光と明りを使い分けることがあります。
LED照明の光線を”光”、従来照明(蛍光灯、電球)の光線を”明り(あかり)”と呼ぶことが多いです。
ちなみに水銀灯は従来照明ですが、光線が目に痛いので光・明りのどちらを使うこともある微妙な立ち位置です。
では無電極ランプはどうかと言いますと、目に優しい光線が特徴ですので”明り”と呼ばれることが多いです。
これを知っているだけで、なんとなく通(つう)になったような気がしますね。
近年では様々な形状の無電極ランプも登場してきました。
用途に応じて最適な照明選びができるように各項目をじっくりご覧になっていってください。